内容説明
ヒトラーが政権を掌握した1933年、アンネの母親エーディトは、母国ドイツからアムステルダムに家探しにやってきた。物語はここから始まる。ドイツは1940年にオランダを占領、そしてフランク一家が隠れ家に消えるのはその2年後だ。しかし潜伏までの約8年間、アンネは家の前のメルウェーデ広場を親友たちと「少女ギャング」よろしく闊歩し、小さな子供たちの世話をやき、隣人たちと豊かな時間を過ごしていた。一方、アンネの親友たちとその家族はどうなったか。外国に脱出する一家もあったが、大半は拘束され、収容所へ送られた。著者は、この広場でかつてくり広げられたユダヤ人住民の日常、祭り、迫害、密告、抵抗の一部始終を、元住民へのインタビューや史料の渉猟から再現する。大きな歴史を反映した、小さなコミュニティの物語だ。
目次
1933 最初のドイツ系ユダヤ人住民
1934 新しい生活
1935 明暗こもごも
1936 新たな隣人たち
1937 休息のオアシス
1938 募りゆく不安
1939 迫りくる戦争
1940 開戦の年
1941 一斉検挙のはじまり
1942 東方への移送
ユダヤ人住民狩り
不安、飢餓、極寒
「解放」
著者等紹介
フェルフーフェン,リアン[フェルフーフェン,リアン] [Verhoeven,Rian]
アムステルダム自由大学で歴史学を専攻。アンネ・フランク・ハウスや第二次世界大戦関係の組織に20年以上勤務し、アンネ・フランク、第二次大戦関連の研究をおこなう。著書、Anne Frank Beyond the Diary(共著、1995)は、ALA Notable Book,A YALSA Best Book for Young Adultsなどに選定される。2003年以来、本書の舞台であるメルウェーデ広場に住む
水島治郎[ミズシマジロウ]
東京大学教養学部卒業。1999年、東京大学大学院法学政治研究科博士課程修了。甲南大学法学部助教授などを経て、千葉大学大学院社会科学研究院教授。専攻はオランダ政治史、ヨーロッパ政治史、比較政治。著書に『反転する福祉国家:オランダモデルの光と影』(岩波書店、2012、第15回損保ジャパン記念財団賞)、『ポピュリズムとは何か:民主主義の敵か、改革の希望か』(中公新書、2016、第38回石橋湛山賞)。他に共著・編著多数
佐藤弘幸[サトウヒロユキ]
東京外国語大学卒業。1971年、一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了。東京外国語大学教授を経て、同大学名誉教授。専攻はオランダ語。オランダ史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
ヒトラーが政権を掌握した1933年、アンネの母親エーディトは、母国ドイツからアムステルダムに家探しにやってきた。物語はここから始まる。
ドイツは1940年にオランダを占領、そしてフランク一家が隠れ家に消えるのはその2年後だ。しかし潜伏までの約8年間、アンネは家の前のメルウェーデ広場を親友たちと「少女ギャング」よろしく闊歩し、小さな子供たちの世話をやき、隣人たちと豊かな時間を過ごしていた。
一方、アンネの親友たちとその家族はどうなったか。外国に脱出する一家もあったが、大半は拘束され、収容所に送られた。
著者は、この広場でかつてくり広げられたユダヤ人住民の日常、祭り、迫害、密告、抵抗の一部始終を、元住民へのインタビューや史料の渉猟から再現する。大きな歴史を反映した、小さなコミュニティの物語だ。