内容説明
能には古代からの日本人のDNAが隠れている。人間国宝能楽小鼓方大倉流十六世宗家が読み解く!
目次
序章 本書を楽しむための基本―能楽用語(能楽とは、何か?;能楽を演じる人たち ほか)
第1章 能には歴史の秘密が隠れている(『国栖』―天武天皇の身を守った吉野の先住民族たち;権現思想とは何か―鍵を握る“役行者” ほか)
第2章 歴史を動かしたもの―稲作、信仰、戦争(能が生まれた「畿内」とはいかなる場所か;食料生産力で歴史は大きく動かされてきた ほか)
第3章 能の謎の中心―翁と秦氏(「翁面」が各地の神社でご神体になっている謎;水田稲作と切っても切れない“在原”『伊勢物語』 ほか)
特別章 新作能『えきやく』
著者等紹介
大倉源次郎[オオクラゲンジロウ]
能楽小鼓方大倉流十六世宗家。公益社団法人能楽協会理事。一般社団法人日本能楽会会員。1957年(昭和32年)、大倉流十五世宗家・大倉長十郎の次男として大阪に生まれる。1964年(昭和39年)、独鼓「鮎之段」にて初舞台。1981年(昭和56年)甲南大学卒業。1985年(昭和60年)、能楽小鼓方大倉流十六世宗家になる(同時に大鼓宗家預かり)。2017年(平成29年)重要無形文化財保持者(人間国宝)各個認定。大阪文化祭奨励賞。咲くやこの花賞(大阪市)、大阪文化祭賞(団体)、大阪舞台芸術賞奨励賞(団体)、観世寿夫記念法政大学能楽賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
能楽の窓からは、こんなに日本史の深秘が鮮明にみえるのだと驚愕した。
小鼓方の人間国宝が縦横無尽に語った名著である。
歴史家 磯田道史氏推薦!
能には古代からの日本人のDNAが隠れている!
七百年近く継承され、日本人とともにあり続けてきた「能」は、歴史のなかで融合し、大成し、時の為政者に翻弄されもしてきた。渡来人、記紀、権現思想、鎌倉仏教、戦国武将、江戸から明治、天皇と能……日本史のなかで捉えると、「能」への興味はより深まっていく。著者は小鼓を演奏しながら、能作者が伝えたかったこと、謡曲の詞章に込められた意味を感じ、読み取ろうとしてきた。
能の成り立ち、演目を解読しながら、能に隠された日本史の真実を探る。
そして、日本が日本であり続けるために。「能」の世界に誘われた読者が、「能」と出合ったことにより、生きた証について考え、何かアクションを起こしたくなるよう、思いを込めた一冊。
◎能の初心者にもわかりやすい演奏動画付き!
【本書の内容】
序章 本書を楽しむための基本《能楽用語》
第一章 能には歴史の秘密が隠れている
第二章 歴史を動かしたもの──稲作、信仰、戦争
第三章 能の謎の中心──翁と秦氏
特別章 新作能『えきやく』
[本書に登場する演目]
翁・国栖・花筐・田村・白鬚・梅石橋・大江山・小鍛冶・船弁慶・猩々・養老・高砂・百万・道成寺・橋弁慶・鞍馬天狗・隅田川・桜川・鵺・岩船・融・海士・紅葉狩・砧・姨捨・夜討曽我・清経・経正・巴・金札・小袖曽我・現在七面・井筒・夕顔・芭蕉・菅丞相・卒都婆小町・葵上 ほか