内容説明
戦時期に政府とその外郭団体が製作したプロパガンダ・ポスターは、「戦争の勝利」を演出することによって国民の戦意を高揚させ、戦時体制の強化継続に絶大な効力を発揮した。長野県阿智村に現存する、1937年の日中戦争開戦から45年の終戦までの約10年間に製作された135枚のポスターをフルカラーで初公開し、詳細に解説する。
目次
第1章 募兵
第2章 戦時体制の強化
第3章 労働力の確保
第4章 女性と子供
第5章 戦費調達のための貯蓄
第6章 節約と供出
第7章 戦時期の長野県
第8章 傷兵・遺家族
著者等紹介
田島奈都子[タジマナツコ]
青梅市立美術館学芸員。専門は近代日本のポスターを中心とするデザイン史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
国民は何を見て、何を信じこまされていたのか戦時期に政府とその外郭団体が製作したプロパガンダ・ポスターは、「戦争の勝利」を演出することによって国民の戦意を高揚させ、戦時体制の強化継続に絶大な効力を発揮した。
長野県阿智村に現存する、1937年の日中戦争開戦から45年の終戦までの約10年間に製作された135枚のポスターをフルカラーで初公開し、詳細に解説する。
社会状況を雄弁に物語る「時代の証言者」。
はじめに
凡例
1 募兵
コラム1 人気図柄
2 戦時体制の強化
コラム2 プロパガンダ・ポスターと美術界―画家と図案家―
3 労働力の確保
コラム3 繰り返される懸賞募集とその光と影
4 女性と子供
コラム4 航空兵物語
5 戦費調達のための貯蓄
コラム5 プロパガンダ・ポスターにおけるデザイン―翻案と写真―
6 節約と供出
コラム6 スクラップ・ブックより
7 戦時期の長野県
コラム7 学童疎開
8 傷兵・遺家族
コラム8 洗脳化計画―繰り返される報道と図案利用―
コラム9 ポスターの末路
作家紹介
主要参考文献
関連年表
作品リスト
阿智村寄託ポスター(複製品)貸付のご案内
田島奈都子[タジマ ナツコ]
青梅市立美術館学芸員。専門は近代日本のポスターを中心とするデザイン史。
主な著書・論文に『明治・大正・昭和お酒のグラフィティ サカツ・コレクションの世界』(国書刊行会、2006年)、「近代日本の美術界におけるポスターという存在」(『近代画説』第22号、2013年)、「印行名を用いたポスターの制作年代の特定方法について?精版印刷会社を例として?」(『大正イマジュリィ』No.10、2015年)などがある。