内容説明
沖縄戦の生存者の証言を聞き島の悲しみを初めて知った音楽家が、「ヤマトの人間がこの曲を発表していいのだろうか?」そう迷いながらも世に問うた「島唄」。多くの称賛と批判を浴びたこの曲を歌い続け沖縄を学び続ける彼のエッセイ、そしてそれぞれの場所で「沖縄」を生きる二十代から九十代までの人々との対談。“復帰”五十年。それぞれの生を形作ってきた「なかったこと」になり得ない時間、そして島々の基層に流れる記憶の水脈に耳をすまし、「沖縄」を共に語るこの先の言葉を探す。
目次
1 沖縄の「水脈」
2 「沖縄を歌う言葉」と出会った日
3 沖縄を知ろうともしなかった僕たちへ
4 「あんたの音楽こそ帝国主義じゃないのか」
5 歌に導かれて人と出会ってきた
対話1 語られなかった個人史がある
対話2 次の回路を探す「ヤマトと沖縄」
対話3 声なき声を聞き、土地の物語を紡ぐ
対話4 記憶を手渡す、記憶を受け継ぐ
著者等紹介
宮沢和史[ミヤザワカズフミ]
1966年山梨県甲府市生まれ。THE BOOMのボーカリストとして1989年にデビュー。92年「島唄」を発表、全国でおよそ二百万枚のヒットとなる。現在は沖縄の音楽を後世に橋渡しする活動に力を入れており、三線の材料となるくるちの木の植樹、沖縄民謡の記録音源制作、新作琉球舞踊・様々な形態の歌会のプロデュースなど独自の方法で沖縄と関わり続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
大ヒット曲「島唄」30年、そして「復帰」50年の節目に沖縄との関わりを綴り、沖縄ゆかりの人々と語り合ったエッセイ・対談集。