内容説明
戦後生産量を大きく減らしつつあった国内産麦は、近年全国各地で品質や機能性に優れた国内産麦の新品種導入も相次いでおり、こうした国内産麦への評価の高まりとともに2次加工製品などにおける需要も拡大している。本書では、戦後の国内産麦の需給変化をたどりつつ、とくに2000年の民間流通制度導入後、国内産麦のフードシステムが大きく変容するなかで国内産麦に対する評価が高まり、需要が伸びつつある近年の動向を、主産地(小麦・大麦・はだか麦)ごとの生産状況やサプライチェーンの形成状況、加工・小売段階での消費動向など、多角的な視点から徹底分析。今後の国内産麦の需要拡大に向けた課題と方策について考える。
目次
序章 研究課題の設定
第1章 全国ベースでみた国内産麦の需給の変化
第2章 変貌を遂げる主産地での麦類生産
第3章 主産地ごとにみた国内産麦のサプライチェーンの形成状況
第4章 主産地ごとにみた国内産麦の近年の消費動向
終章 国内産麦のフードシステムの変容と残された課題
著者等紹介
吉田行郷[ヨシダユキサト]
1962年生まれ(東京都武蔵野市)。農学博士(2015年、筑波大学)、1985年東京大学農学部農業経済学科卒業後、農林水産省に入省。食糧庁企画課、経済企画庁(出向)、国際部国際協力課、大臣官房調査課、JETROロンドンセンター駐在(出向)、大臣官房企画室、総合食料局食糧貿易課等勤務を経て、2005年より農林水産政策研究所勤務。政策研究調整官、総括上席研究官(農業・農村領域)を経て、2016年より企画広報室長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)