内容説明
変分法が明らかにする不思議な解の存在。相互作用するn個の物体の運動を扱う「n体問題」。3体以上だと一般には解けないが、近年になって、3つの物体が8の字の上を周回する「8の字解」が発見される。その後、変分法を用いて厳密にその存在が証明された。変分法の基礎から説き起こし、8の字解を始めとする周期軌道の存在証明を詳しく解説!
目次
第1章 力学と変分原理
第2章 最小点の存在
第3章 固定端点条件を満たす解
第4章 周期的ポテンシャル系の周期解
第5章 特異点を持つポテンシャル系における周期解
第6章 n体問題の中心配置と自己相似解
第7章 3体問題の8の字解
第8章 n体問題の舞踏解
第9章 最小点の存在証明
第10章 力学におけるさまざまな変分構造
著者等紹介
柴山允瑠[シバヤマミツル]
2007年、京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了。博士(理学)。京都大学数理解析研究所研究員(COE)・同特定研究員(グローバルCOE)、大阪大学大学院基礎工学研究科講師を経て、京都大学大学院情報学研究科准教授。専門は、ハミルトン力学系、変分問題、天体力学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
相互作用するn個の物体の運動を扱う「n体問題」。力学における変分法を出発点に、8の字解を始め周期軌道の存在証明を解説する。