内容説明
公正な社会経済の発展に独占禁止法はどのように貢献できるか?本書は経済的格差、社会的不平等が拡大したといわれる日本において、フェアコノミー(公正経済)の形成と発展のために、独占禁止法制がどのような役割を果たすことができるかを探ろうとするものである。
目次
第1部 総論(「公正な競争」と取引の自由;競争法における「不公正」概念の検討―市場支配力の形成・維持・強化の観点から;「競争法は、競争者ではなく、競争を保護するものである」という格言について)
第2部 国内問題(独占禁止法における不公正な取引方法の位置づけ―競争者排除行為を例にして;インターネット通販サイトの最恵国待遇条項―独占禁止法における評価;弁護士懲戒制度・弁護士自治と事業者団体規制・不正手段型規制;優越的地位の濫用における課徴金制度;下請取引と独禁法・下請法;課徴金制度の導入等を内容とする景品表示法の平成26年改正;「ゼロレーティング」と競争政策―ネットワーク産業におけるフェアコノミーの一断面)
第3部 比較法学的検討(EU競争法の「現代化」の今日的位相―市場支配的地位濫用規制について;EU・ドイツにおける景品規制;事業者間の経済的従属関係の濫用に対するフランス競争法による規制;イギリスにおけるフードチェーンの市場力・購買力濫用規制;米国反トラスト法における州行為原則の展開;オーストラリア標準約款契約規制法とSmall Business―フランチャイズ契約規制の一手法として;韓国競争法における不公正な取引方法の反競争効果の特徴と判断基準について;現代化発展に向かう台湾競争法の課題;中国における優越的地位の濫用規制)
出版社内容情報
現代における公正な社会経済の実現という観点からフェアコノミー(公正経済)の形成・維持に独禁法制度がどのように貢献できるか。