内容説明
公認会計士は「会計正義」を追求する“プロフェッショナル”である。わが国の公認会計士監査制度は、多くの問題を抱えながらも、そして厳しい批判に晒されながらも、着実に前進している。先人に感謝しつつ、“カンサ”ということばの響きに惑わされることなく、豊かな感性をもった若者がこの業界に関心をもち世界で活躍してくれることを大いに期待している。そんな思いを込めて、本書は、わが国公認会計士監査制度70有余年を分析し、今後の公認会計士監査制度の展望について考察する。
目次
公認会計士監査は「盲腸」?
連結会計―企業の透明性の向上とグループ力の強化―
税効果会計―銀行には朗報!が、りそな銀と足利銀―
「激震」会計基準―時価評価と減損―
労働者諸君 注目せよ!退職給付引当金
克服!“会計ビッグバン”―日本の「地力」―
国際会計基準―欧vs.米 会計戦争―
「対等合併」禁止と「のれん」の償却
米国の「力」―監査風土の理解―
“クローズアップ”―財務諸表の虚偽表示の発見―
監査リスク・アプローチの本質
なに?職業的懐疑心
監査現場が危ない!―なぜ不正を発見できないのか?―
監査現場が危ない!―すべての責任はパートナーにある―
“ガラガラポン”ができなかった中央青山監査法人
東芝粉飾大事件―陽はまた昇る?―
「安全港」を解放せよ!―重要性の基準値―
監査法人にとっての潜在リスク―監査人の異動―
歴史的文書―コーエン委員会報告書―
内部統制概念の「拡充」―「統制環境」とは?―
著者等紹介
千代田邦夫[チヨダクニオ]
1966年早稲田大学第一商学部卒業。現在、立命館アジア太平洋大学客員教授。寺崎電気産業株式会社取締役監査等委員、星和電機株式会社取締役監査等委員。経営学博士、公認会計士。1973年チュレイン大学大学院留学(〜1974年)。2003年公認会計士試験第3次試験委員(〜2006年)。日経・経済図書文化賞。日本会計研究学会太田賞。日本内部監査協会青木賞。日本公認会計士協会学術賞。辻眞会計賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
70有余年にわたる日本の公認会計士監査制度をめぐるさまざまな事象を回顧し、公認会計士が「会計正義」を追求できる唯一無二の存在であることをあらためて考える。