内容説明
現在、20代30代の若いビジネスパーソンにとっては当然のものとなっているアメリカを中心とする新自由主義経済、株主資本主義は、実は、ほんのこの数十年のパラダイムに過ぎない。それ以前は、米国においても、顧客、従業員、地域の利益も、株主の利益と同様にとらえるステークホルダー資本主義が主流だった。現在、株主資本主義の必然として、格差の拡大と環境破壊がグローバルに広がっているが、それは、資本主義そのものの宿命だとは言い切れない。さまざまな資本主義の形が、これまでも存在したし、現在も模索されている。
目次
第1章 資本主義の時代―「アングロサクソン」「ライン」「福祉」「国家」の競演(資本主義の成立;レッセフェールから政府介入容認へ ほか)
第2章 モデルチェンジに失敗した日本(規律なきアングロサクソン・モデル追及の悲劇;日本が恐れられていた日本型資本主義の時代 ほか)
第3章 株主資本主義の盛衰(株主資本主義の台頭 深化するアングロサクソン資本主義;株主資本主義の弊害 強欲がもたらした格差の拡大 ほか)
第4章 新しい資本主義の模索―ゆがみの修正は可能か(ステークホルダー資本主義 利益至上主義からの転換;インクルーシブ資本主義 誰も取り残さない試み ほか)
第5章 不都合な真実―アングロサクソン一人勝ちの誤算(「冷戦後の時代」の終わり;成長を引き出した国家資本主義 社会主義の修正復活 ほか)
著者等紹介
太田康夫[オオタヤスオ]
ジャーナリスト。1959年京都生まれ、82年東京大学卒、日本経済新聞社入社。スイス駐在などを経て、2024年7月まで同社編集委員。主に内外のマクロ経済、金融経済政策、金融制度、銀行経営を取材している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
マルクス以後の欧米の資本主義と昭和からの日本の資本主義の歴史を振り返り、警鐘を鳴らす。さらに、人類の幸福とサステナブルのための新たな資本主義のパラダイムを探った。(発行=BOW&PARTNERS)