目次
置かれた状況、人との出会い、そして「あこがれ」が人を成長させる
理科大好きな子どもを育てていくために
恩送り 目の前の事実に向き合い続けて
教材研究と子ども研究に明け暮れる私 子どもにとっての学びの必然性を常に思う
マルチプルインテリジェンスを育む理科授業
子どもが喜ぶ理科の授業をつくりたい 出会いにより形づくられる理科の授業観
先輩教師と子どもからのプレゼント
常に「自然を学ぶ」という姿勢を貫く
8月13日に「今日は、あんまり流星が飛ばないね」
子どもたちの実態に合わせた授業づくり〔ほか〕
著者等紹介
鳴川哲也[ナルカワテツヤ]
Science Fragrancer。1969年福島県生まれ。大学生になると野鳥に興味をもち、全国各地で野鳥を観察する。教員時代は、昆虫の授業に力を注ぐ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
地元でオンライン開催された、小さな研修会に参加したときのことです。20代の、これから理科教育をがんばっていきたいという先生が切り出した次の言葉が、この物語のはじまりです。
「どんなことがきかっけで、いまのような指導観をもつようになったのですか?」
この20代の先生は、先輩たちが大切にしていることなどを自分もやってみようと思っていたようです。しかし、そう尋ねられた先輩たちは、「はい、これがきっかけです」などと、即座に答えられません。私(鳴川)だってそうです。
しかし、研修会に参加していた先生方は、20代の先生の問いに触発されて「自分自身は、どのような指導観をもっているのだろうか」「自分たちの先輩方は、どのような指導観をもっているのだろうか」と、自らも問いはじめたのです。私もその一人です。
「いまの時代の理科教育を牽引されてきた全国の先生方は、どのような経験をきっかけに、どのようなことを大切にした実践を行い、ご自分の指導観を築きあげてきたのだろうか?」と。
理科の学びで見せる子どもの姿を語り合う先生方からは、「理科大好き」という香りが漂ってきます。そのような香りを醸し出す先生方を、私は密かに「Science Fragrancer」と呼んでいました。本書に登場する「いまの時代の理科教育を牽引されてきた先生方」もみな、Science Fragrancerです。
(1)「理科の授業」に関して、どのような経験があって
(2)その経験を通して、「理科の授業」について、どのような「観」をもち
(3)その「観」を踏まえて、どのような「理科の授業」をするようになったのか
24名のScience Fragrancerが物語るエピソード(贈りもの)をきっかけとして、読者のみなさんにとって大切な何かがきっと見つかるはずです。