商品説明内容説明
日常にひそむ社会の問題を、自らのことばで表現し続けるブレイディみかこのエッセイ・アンソロジー。若い人たちに向けて、地べたからの視線の強さと深さを味わう15篇を精選した。今、あなたの足元にはどんな問いが立っている?
目次
プロローグ 花の命はノー・フューチャー
1 子どもの情景(子どもであるという大罪;ガキどもに告ぐ。こいのぼりを破壊せよ;RISE 出世・アンガー・蜂起)
2 地べたからみた社会(石で出来ている;君は「生理貧困、ミー・トゥー!」と言えるか)
3 英国という鏡(ヨイトマケとジェイク・バグ;どん底の手前の人々)
4 地べたからみた世界(キャピタリズムとは;ウーバーとブラックキャブとブレアの亡霊;歴史とは)
5 他者の靴を履いてみること
著者等紹介
ブレイディみかこ[ブレイディミカコ]
1965年福岡市生まれ。ライター・コラムニスト。高校卒業後、音楽好きが高じてアルバイトと渡英を繰り返し、1996年から英国ブライトン在住。ロンドンの日系企業で数年間勤務したのち英国で保育士資格を取得、「最底辺保育所」で働きながらライター活動を開始(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
日常にひそむ社会の問題を、自らのことばで表現し続けるブレイディみかこのエッセイ・アンソロジー。若い人たちに向けて、地べたからの視線の強さと深さを味わう15篇を精選した。今、あなたの足元にはどんな問いが立っている?
最近よく「問いを立てる力をつけよう」という言葉を耳にする。が、そもそも問いって立てるものなのだろうか。(……)
問いを持つということは、それについて自分で調べたくなり、知りたくなることだ。本気で探求したくなる問いは、誰かに言われて無理やり立てたものじゃない。むしろ、あなたがいま本当に関心を持っているもの、つまり、もうあなたの足元に立っている問いだろう。それは、「どうしてルックスのいい子だけがちやほやされるのだろう」かもしれないし、「わたしの親はこんなに必死で働いているのに、なぜわが家にはお金がないのだろう」かもしれない。
本気で前者の問いを探求し始めたら、「ルッキズム」という言葉があることを知ったり、世界各地で美の基準は異なることがわかって、偏見や人種問題について考え始めるかもしれない。後者のほうの問いはあなたを経済格差という言葉に導き、資本主義の問題点について考え始めるかもしれない。
このような問いと探求は、国語の試験や大学入試の小論文でいい点数を取ったり、大人を喜ばせたり、誰かを感心させたりするために必要なのではない。そうではなく、あなた自身がこれから生きていくために必要なのだ。(……)
生きるための問いは立てるものではなく、立ってくるものであり、すでに立っているもののことだ。
この本に収められたエッセイで、わたしはその時々に自分の足元に立っていた問いについて書いてきたつもりだ。
さて、あなたの足元にはどんな問いが立ってくる(あるいは、立っている)だろう。(本文より)
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