ちくま新書 大阪・関西万博「失敗」の本質

著者:松本 創【編著】
出版社:筑摩書房

商品説明

内容説明

遅々として進まないパビリオン建設。肩透かしを食らう機運醸成。理念なき中、喧伝される経済効果。夢洲の開発にかける維新の思惑。過去の成功体験に引きずられながら、詰めが甘いまま進行してしまった大阪・関西万博。現状のまま開催されれば、「成功」とは到底言えないだろう。なぜこうした事態に陥ったのか。その真相を深掘りする。



目次

第1章 維新「政官一体」体制が覆い隠すリスク―万博と政治(「歓喜の夜」から一転、次々と噴き出す課題;夢洲は本当に「負の遺産」なのか ほか)
第2章 都市の孤島「夢洲」という悪夢の選択―万博と建築(日本の万博出展史に見る海外パビリオンの重要性;建設遅れは参加国ではなく開催国の責任 ほか)
第3章 「電通・吉本」依存が招いた混乱と迷走―万博とメディア(東京五輪談合事件の衝撃と余波;電通が牽引した戦後の博覧会60年史 ほか)
第4章 検証「経済効果3兆円」の実態と問題点―万博と経済(万博コスト増への反論が持ち出される「経済効果」;そもそも経済波及効果とは何か―短期と中長期の二面から ほか)
第5章 大阪の「成功体験」と「失敗の記憶」―万博と都市(博覧会の成功、湾岸開発の失敗、カジノの未来;博覧会都市の始まり「第五回内国勧業博覧会」 ほか)



著者等紹介

松本創[マツモトハジム]
1970年生まれ。ノンフィクションライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



出版社内容情報

開幕前からあえて「失敗」と断じることには反発も当然あるだろう。だが、こうしたメガイベントというのは、五輪もそうだが、事前に批判すれば「楽しみにしてる人もいるのに水を差すのか」「成功へ努力する関係者の足を引っ張るのか」と言われ、事後に検証すれば「終わったことをいつまでも」「今さら言っても遅い。なぜ事前に言わないのか」と批判されるのである。どんな形であれ、とりあえず終わってしまえば、なんとなく「やってよかった」という空気ができ、それに乗じて関係者は「大成功だった(私の手柄だ)」と言い募る。「成功」の基準がないから、いくらでも恣意的に語られてしまう。そうなる前に、「失敗」と見る立場から問題を整理し、指摘しておくべきだと考えたのである。

(「はじめに」より)



第1章 維新「政官一体」体制が覆い隠すリスク―万博と政治  木下功

第2章 都市の孤島「夢洲」という悪夢の選択―万博と建築  森山高至

第3章 「電通・吉本」依存が招いた混乱と迷走―万博とメディア  西岡研介

第4章 検証「経済効果3兆円」の実態と問題点―万博と経済  吉弘憲介

第5章 大阪の「成功体験」と「失敗の記憶」―万博と都市  松本創




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