内容説明
ラン科植物の魅力は、何といってもその多様性にあります。野生のランだけでも約26,000種あるとされ、被子植物では最大の種数を誇ります。また、今なお種分化し、新しい種が生まれつつあり、さらには自生地の調査が進むことで、毎年、約500種が新たに発表されています。ランは熱帯雨林から砂漠、草原から湿地に至るまで、さまざまな環境に適応して生息するため、その生態も多様です。本書では、野生ランの自生の状態も紹介しています。また、ランの花の構造は花粉を媒介する昆虫や鳥類と密接に関係しており、特定の花粉媒介者だけが受粉できるようにすることで、多様な花の構造が生み出されました。このような種類、生態、形態の多様性を写真とともに、楽しんでいただければと思います。
目次
1 ランの世界(ラン科とは?/分布と生態;分類/形態;学名の表記)
2 ランの図鑑(バニラ亜科;アツモリソウ亜科;チドリソウ亜科;セッコク亜科)
著者等紹介
土橋豊[ツチハシユタカ]
1957年大阪市生まれ。東京農業大学農学部元教授。京都大学博士(農学)。京都大学大学院修士課程修了後、京都府立植物園温室係長、京都府農業総合研究所主任研究員、甲子園短期大学教授などを経て、東京農業大学農学部教授(2015年〜2023年)。第18回松下幸之助花の万博記念奨励賞受賞。人間・植物関係学会理事(2009年〜)。人間・植物関係学会会長(2013年〜2019年)。日本園芸療法学会理事(2010年〜)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
〈世界のランのなかから622種類を、最新の成果に対応した情報と自生地での豊富な写真でまとめた図鑑。〉
〈入門者から愛好家まで。野生種、人工交雑種、遺伝子組み換え植物まで622種類をコンパクトに紹介します。〉
「ラン」は、野生のものだけでも約26000種あるといわれ、今なお毎年、約500種が新たに発表され、より美しい花を求めて多くの交雑種も作出されています。優雅な花姿、鮮やかで豊かな色彩、魅惑的な香り、あらゆる環境に適応した多様な生態と構造……古くから人の心を魅了し続けるランを、初めてランの世界に足を踏み入れる入門者から愛好家の方々のために、自生地を含む豊富な写真と最新の研究成果に対応した情報で楽しめるよう紹介した一冊です。世界中のランのなかから野生種とその個体522種、人工交雑種99種、最近話題の遺伝子組換え植物をとりあげます。