内容説明
19世紀のロンドンに電柱は存在したのか―上空を覆うおびただしい数の架空線は、景観上から撤去されたのか。電燈線は、ガスとの競争を公平にするために地中化されたのか。こうした疑問に、多くの写真や図面、議会録、裁判などから検証する。巷に広まった通説を一新する、目からウロコの一冊。これまで誰に聞いても分からなかったことが、いま明らかになる。
目次
第1章 鉄道信号用装置に始まる電信通信と慣習法に従って地中線方式を採用した電信会社の設立
第2章 裁判に訴えられた電信柱・架空線と建築限界内における規制措置
第3章 乱雑に敷設された地下埋設物と管線類を収容する首都建設局の共同溝計画
第4章 不潔な都市ロンドンと風景を伴ったパーク
第5章 通行障害と都市改造
第6章 裁判で電信通信の一種になった電話による上空占有
第7章 商務省の暫定命令承認で営まれた電燈事業
第8章 LCCの架空線撤去と共同溝設置と郵政大臣の決断
第9章 日本の法制度との違い
著者等紹介
鈴木悦朗[スズキエツロウ]
工学博士、技術士(建設部門)。旧東京市における帝都復興事業時の共同溝計画を中心に電柱整理を扱った論文を土木学会・土木史研究および都市計画学会論文集に投稿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)