内容説明
中世ペルシャの稀有な数学者・天文学者・哲学者が「四行詩」の形で自らに向かって発した“つぶやき”。それにはどんな思いが込められていたのか?同国人であり、文人政治家である著者は、様々な資料にもとづいてハイヤームの実像に迫り、それを踏まえて彼の“真作”を厳選し、さらに“随想”の形で、深い敬愛の念を込めてハイヤームの思想を浮き彫りにしている。
目次
第1部 ハイヤームを求めて(詩人としてのハイヤーム;同時代人の目に映じたハイヤーム;けち、それとも常識? ほか)
第2部 四行詩を求めて(主要な四行詩;生と死という軸;ハイヤームの作風 ほか)
第3部 随想集(“どこからわれわれは来て、どこへこれから行くのか?”;“もしもその出来が悪かったら、それは“彼”以外の誰のせいだというのか?”;“小さな羽虫―現われてはまた消えていく” ほか)
著者等紹介
ダシュティ,アリ[ダシュティ,アリ] [Dashti,Ali]
1896年、トルコのケルバラに生まれる。伝統的な宗教教育を受けた後、イランの故郷に戻り、英国・イラン協定に対する煽動活動を皮切りに、次々と政治活動に関わるようになった。1921年2月の有名なクーデター後の留置中にしたためられた一連の新聞記事用の手記が後に『獄中日記』という題で単行本として出版され、話題になった。翌年中に週間新聞「イランの星」を編集するよう招請され、さらに自身の有名な雑誌「赤い夜明け」を創刊“中道を行く”月間文芸誌「太陽」にも随時寄稿した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)