内容説明
妖しき大夜会に君臨する黒衣の美女がいた。女の左腕には、怪奇な黒い蜥蜴の入墨があった。大阪の宝石商・岩瀬庄兵衛の娘・早苗の誘拐を予告する怪文書が届く。身辺を警護する名探偵・明智小五郎に、早苗と懇意にする緑川夫人が接近する。彼女こそ、暗黒街の女王にして稀代の女賊「黒蜥蜴」だった。恐るべき女賊「黒蜥蜴」と名探偵・明智小五郎の壮絶な対決が始まる。三島由紀夫の脚色で舞台上演され、数々の話題を呼んだ傑作!
著者等紹介
江戸川乱歩[エドガワランポ]
明治27年10月21日三重県に生まれる。早稲田大学で経済学を学びながらポーやドイルを読む。様々な職業を経験した後、大正12年、雑誌「新青年」に「二銭銅貨」でデビュー。昭和4年の「蜘蛛男」より娯楽雑誌に長編を連載、昭和11年から「怪人二十面相」を少年倶楽部に連載、少年探偵シリーズは晩年まで続く。同時期から評論も多く手がけ、昭和22年、探偵作家クラブ結成、初代会長に就任。昭和29年、乱歩賞を制定。昭和32年から雑誌「宝石」の編集に携わる。昭和38年、日本推理作家協会が認可され理事長に就任。昭和40年7月28日死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)