内容説明
外務省書記官夫人である佳子は、美しく才能豊かな女流作家としても知られていた。そんな佳子の元へ、ある日長文の手紙が届く。ある男からの罪の告白であった…。肝を冷やす“人間椅子”の秘密とは!巧みな構成とスリリングな物語の表題作の傑作短編「人間椅子」、悪女登場でゾッとさせる「お勢登場」、兄と入れ替わった男の錯誤「双生児」、美しくも凄惨な恋物語「人でなしの恋」など短編10編を収録。
著者等紹介
江戸川乱歩[エドガワランポ]
明治27年10月21日三重県に生まれる。早稲田大学で経済学を学びながらポーやドイルを読む。様々な職業を経験した後、大正12年、雑誌「新青年」に「二銭銅貨」でデビュー。昭和2年までに「D坂の殺人事件」「人間椅子」「パノラマ島奇談」などを執筆する。休筆を挟んで「陰獣」「芋虫」「孤島の鬼」などを発表。昭和4年の「蜘蛛男」より娯楽雑誌に長編を連載、「魔術師」「黄金仮面」「黒蜥蜴」など。昭和11年から「怪人二十面相」を少年倶楽部に連載、少年探偵シリーズは晩年まで続く。昭和40年7月28日死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)