内容説明
『風姿花伝』をはじめ、日本最古の演劇論あるいは日本美学の古典として、また日本人の感性にも深く通じるものとして数多論じられてきた世阿弥の能楽論。その思想の核心を、世阿弥の生の言葉に立ち戻りつつ、使い古された観念論を超えた、実践的な芸術論としてあざやかにとらえ直す。生きた演劇論としての世阿弥の思想。
目次
1 俳優(俳優の魅力とは何か―“花”;面白いとはどういうことか―“めづらし”)
2 演技(声はどこから出るか―“一調・二機・三声”;どうすればよく似せられるか―“物まね”)
3 作品(作品をどう構成するか―“序破急”;詞章をどのように綴るか―“歌道”)
4 観客(観客に何を見せるか―“秘すれば花”)
5 教育(可能性をどう育むか―“初心”)
著者等紹介
玉村恭[タマムラキョウ]
上越教育大学大学院学校教育研究科准教授。専攻は美学芸術学、音楽学。主たる研究対象は、日本の伝統芸能・古典芸術および芸術思想。1977年、東京都生まれ。2009年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)