内容説明
分子生物学を基礎とする厳密な科学でありながら、人の死や苦に直面し、実存にも深く関わる医学。伝統的に生死や苦の問題を取り扱ってきた宗教。輸血拒否のように激しく対立もするが、マインドフルネスのように協力もできる。多彩な研究から両者の相互理解を探るとき、根底で響きあう倫理的態度が浮かびあがる。
目次
第1部 宗教と医学の問題(総論)
第2部 実際の現場での宗教と医学の関係
第3部 科学論
第4部 人間観
第5部 医療倫理
第6部 新宗教における宗教と医学
第7部 宗教と医学が実現すべき価値・目標
著者等紹介
杉岡良彦[スギオカヨシヒコ]
1966年生まれ。1990年、京都大学農学部(農業原論講座)卒業。1998年、京都府立医科大学卒業。精神神経科研修医を経て、2004年、東海大学大学院医学研究科博士課程環境生態系専攻修了(がんの細胞内シグナル伝達に関する予防医学的研究を行う。International Journal of Cancer,2004)。旭川医科大学医学部医学科健康科学講座講師を経て、現在、上野病院診療部に勤務。京都府立医科大学非常勤講師(医学哲学担当)。医師、博士(医学)、精神保健指定医(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
厳密な科学としての医学と、人の死や苦に直面する現場の医学。輸血拒否の如く宗教と対立する場面も、マインドフルネスの如く協力しあう場面も踏まえて、宗教の寿命への貢献や祈りによる苦痛軽減など様々な研究を交えて、医学と宗教の共存と相互理解を探る。