内容説明
如実知自心、五相成身観、十七清浄句。中期密教の三経軌は煩悩とどのように向き合ったのか。また、初期密教からの展開過程を丹念に追うことで、中期密教に到る密教のルートを描き出す。
目次
第1篇 初期密教から中期密教へ(初期密教の第一期時代―初期密教の萌芽から形成へ;初期密教の第二期時代―初期密教の展開;初期密教の第三期時代―初期密教の確立 ほか)
第2篇 中期密教経軌における菩提心思想の全体像(『大日経』における中期密教の特徴;『金剛頂経』における中期密教の特徴;『理趣経』における中期密教の特徴)
第3篇 中期密教経軌の菩提心と煩悩論よりみる如来蔵思想の密教的展開(『宝性論』にみる如来蔵思想の基本構造;『大日経』の菩提心と煩悩論;『金剛頂経』の菩提心と煩悩論 ほか)
中期密教経軌にみる如来蔵思想の密教的展開
著者等紹介
大塚伸夫[オオツカノブオ]
1957年、新潟県佐渡市生まれ。大正大学大学院仏教学研究科博士後期課程(仏教学専攻)単位取得満期退学。博士(仏教学、大正大学)。2015年〜2019年、大正大学学長。現在、大正大学仏教学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
インド初期密教形成過程の専門家が、初期密教経典の内容に立ち入りながら、その変化を追って中期密教経典への流れを描き出す。さらに中期密教の代表的三経典の章品構成、思想・実践内容を解説し、菩提心と煩悩に対する三経典のモデルの違いを明らかにする。