内容説明
四大元素、探検博物学、自動人形、動物磁気、ホムンクルス。近代ドイツ語文学において「科学」的事物はいかに探求され、作品に胚胎したか。動乱する19世紀初頭の自然科学的文脈を辿りつつ、ノヴァーリス、ホフマンらロマン派の小説、ゲーテ、シラーの諸作品、フンボルト、フォルスターら探検博物者の詩的テクストを紐解く。ドイツ語文学に新たな読みの歓びをもたらす無二の論考。
目次
第1章 精霊たち(精霊譚の復活;地の精;水の精;火の精;風の精)
第2章 探検博物学(一八世紀後半の世界周航;ゲオルク・フォルスター;アレクサンダー・フォン・フンボルト;アーデルベルト・フォン・シャミッソー;ユリウス・エドゥアルト・イッツィヒ)
第3章 自然という不可思議(幽霊;カリオストロ伯爵;メスメリスム;人形;人間を造る夢)
著者等紹介
時田郁子[トキタユウコ]
東京大学人文社会系研究科博士課程修了、博士(文学)。成城大学文芸学部ヨーロッパ文化学科准教授。近代ドイツ語圏の文学・文化・思想を研究する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)