セリエA発アウシュヴィッツ行き―悲運の優勝監督の物語

著者:マラーニ,マッテオ【著】〈Marani,Matteo〉/小川 光生【訳】
出版社:光文社

商品説明

内容説明

アールパード・ヴァイス―ファシズム政権下でサッカー選手、監督として活躍した彼の形跡は、歴史から消え失せた。指揮官として、3度のスクデット(セリエA優勝)とパリ万国博覧会カップ優勝。現代でも、彼の実績を上回る監督は多くはない。そんな人物がある日、忽然と姿を消す。現代ではとても想像もできないが、彼の身にはそれが起きた。歴史、人種法、そしてホロコーストという名の“悲劇の風”が、彼を連れ去ってしまったのだ。1944年1月31日、アールパード・ヴァイスは、アウシュヴィッツでその生涯を終える。その2年前、彼の妻エレナ、12歳の息子ロベルト、8歳の娘クララが送り込まれたのと同じ収容所のガス室で…。著者のマッテオ・マラーニは、20世紀の深淵からこのユダヤ系ハンガリー人監督の物語を引き上げるために、実に綿密な、ある意味何かに取り憑かれたような調査を、何年もかけて進めていった。その結晶が本書である。



目次

世界を震撼させる偉大なるチーム
映画、サッカー、歌謡曲…そして戦争―1938年
近代サッカーの“父”―1922〜1928年
インテルでのスクデットとジュゼッペ・メアッツァの発掘―1929〜1934年
偉大なるスタジアムを持つ町の偉大なるサッカー教師―1935年
黄金時代のはじまり―1935〜1936年
フィグリーナ(サッカーカード)―1936〜1937年
「人種差別主義」という服を身に纏ったイタリア―1938年
パリ到着―1939年
ドルトレヒト 最後の楽観の地―1939年〔ほか〕



著者等紹介

マラーニ,マッテオ[マラーニ,マッテオ] [Marani,Matteo]
1970年イタリア・ボローニャ生まれ。ボローニャ大学では史学を専攻。卒業後、スポーツ・ジャーナリズムの世界に入る。特に国内有数の歴史を持つサッカー専門誌『グエリン・スポルティーヴォ』との関係は深く、1992年から寄稿をはじめ、2008年から2016年までは編集長を務める。2016年からはPPVの『Sky Sports』『Sky Italia』でディレクターとして活躍、サッカー部門の責任者も歴任する。2007年に執筆した本書でキエーティ・スポーツ文学賞を受賞。本業に加え、ボローニャ大、ミラノのIULM大でジャーナリズムの講義も持つ。フィレンツェ郊外にあるサッカー連盟運営のカルチョ・ミュージアム副館長

小川光生[オガワミツオ]
1970年静岡県生まれ。慶應義塾大学・大学院時代はイタリア史を専攻。1999年からイタリアに渡る。現地のプロサッカーリーグ、セリエAなどの取材を続けながら、雑誌(ネット)記事の執筆・翻訳、サッカー中継のインタビュアー、テレビ番組のコーディネーターなど多種の仕事に携わる。2010年以降は、長友佑都選手、本田圭佑選手のインタビュアー兼番記者として年間50試合近く、現場でインテル、ACミランの取材を行った。東京オリンピック・パラリンピック2020では柔道、空手、ライフルなどイタリアの複数のナショナルチームの通訳も務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)




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