内容説明
“現代のインディ・ジョーンズ”は、人工衛星で遺跡を探す!「宇宙考古学」とは、衛星画像データを分析することで遺跡を発見する学問だ。現代では、より高解像度でマルチスペクトルな画像を安価に扱えるようになったことで、表面の植生の違いからその地下にある物体の差異を見つけたり、踏査の難しい砂漠や密林を探索したりすることができる。この分野の第一人者であり、気鋭のエジプト学者であるサラ・パーカックが、みずからの体験を軸に、宇宙考古学の最先端、大発見、そして秘められた可能性を余すところなく紹介する。また、世界の古代遺跡の保全のために宇宙考古学が必要である理由、そしていま私たちが破滅した世界から学ばなくてはならない理由にもふれる。
目次
歴史は「積み重なる」
宇宙考古学とは何か
宇宙考古学の可能性
危ない仕事
間違った場所を掘っている
世界一周“新”考古学の旅
巨大王国の崩壊
首都の発見
未来の考古学
乗り越えるべきもの
盗まれた遺産
誰でも参加できる宇宙考古学
著者等紹介
パーカック,サラ[パーカック,サラ] [Parcak,Sarah]
アラバマ大学考古学教授。エジプト学者。衛星画像から遺跡を探すクラウドソーシングのプラットフォーム「グローバルエクスプローラー(GlobalXplorer)」を2016年に創設。現在までに約10万人のボランティアが参加し、南米などでの遺構の探索に貢献している。リモートセンシングを考古学研究に応用した活動には世界中のメディアが注目し、英国BBCはエジプト、ローマ、ヴァイキングの古代文明について著者をプレゼンターとして番組を製作した。2016年TED Prizeを受賞。ナショナルジオグラフィック協会のエクスプローラーでもある
熊谷玲美[クマガイレミ]
翻訳家。東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻修士課程修了。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
衛星写真画像や電磁波を分析して新たに見つかった遺跡の位置から人間という種の驚くべき逞しさや適応力の程度がわかってくる。