内容説明
競争のもつ歴史的、経済社会的意味を精確に捉える方法の追究。従来の完全競争をベースとする経済学的思考を越えて、不完全競争を前提とし、完全競争と独占は、不完全競争のそれぞれの両極端の特殊ケースとして包含することで分析を展開できることを説得的に主張。経済学だけでなく競争法の議論とも親和性の高い「市場支配力指数アプローチ」という新たな枠組みを提唱する。労働市場・金融市場も視野に入れ、競争政策・消費者政策の経済理論的な基礎づけを与える。
目次
第1部 市場支配力指数アプローチの基礎(市場支配力指数アプローチによる不完全競争の導入;市場支配力指数のミクロ的基礎および発展的概念)
第2部 課税・広告・金融への応用(不完全競争的な財市場における物品課税問題;広告戦略と金融市場)
第3部 競争政策と消費者政策への応用(競争政策・消費者政策を考えるための展開;水平的合併への応用と消費者政策への基礎づけ)
第4部 垂直構造と一般均衡への展開(垂直的取引関係;不完全競争と一般均衡)
結語
著者等紹介
安達貴教[アダチタカノリ]
京都大学経営管理大学院・大学院経済学研究科教授。Ph.D.(経済学)。専攻は産業組織論、競争政策論、応用ミクロ経済学、実証ミクロ経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
「競争」の持つ歴史的、経済社会的な意味を正確に捉える、不完全競争に立脚した分析枠組み「市場支配力指数アプローチ」を提示。
従来の完全競争をベースとする経済学の枠組みを越えて、不完全競争を前提とし、完全競争と独占は、不完全競争のそれぞれの両極端の特殊ケースとして包含することで分析を展開できることを説得的に主張。「市場支配力指数アプローチ」という経済学における新たな理論的視点を提示する。