内容説明
アメリカ・センサスはマイノリティをどのように調査し、管理し、監視し、それが如何なる排斥につながったのか。「名もなき人々」へのセンサスの記録と日本側査証史料等の相互参照により、幕末〜明治初期の環太平洋の移動と移民史のリンケージにおいて新たに見えてくるものとは。マイノリティをめぐる歴史学の新たな方法論。センサスを通じた「ホワイトネス」への包摂と排除の歴史を繙く。
目次
序章 アメリカ・センサスと「人種」をめぐる境界
第1章 「その他全ての自由人」―マイノリティへのアメリカ・センサス調査の初期事例
第2章 「その他全ての自由人」の変容と調査票にみる中国人の「人種」の境界
第3章 一八五二年カリフォルニア州センサス、一八六〇年連邦センサス―「チャイニーズ」をめぐる調査票への接近
第4章 「ジャパニーズ」をめぐる調査票への接近―一八六〇〜七〇年
第5章 「ジャパニーズ」をめぐる調査票への接近―一八八〇年
第6章 センサスにおける認知と排斥/無視と包摂
終章 センサス「人種」分類をめぐるポリティクス
著者等紹介
菅(七戸)美弥[スガシチノヘミヤ]
1969年生。2001年国際基督教大学大学院博士課程修了(博士・学術)。現在、東京学芸大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
「マイノリティ」を巡る米国センサス史と歴史学の新たな方法論。人口調査の実態を通じ「ホワイトネス」への包摂と排除の歴史を繙く。
センサスは「マイノリティ」をどのように調査、管理、監視し、それは如何なる排斥につながったのか。「名もなき人々」へのセンサスの記録と日本側査証等史料の相互参照により、幕末?明治初期の環太平洋の移動と移民史のリンケージにおいて新たに見えてくるものとは。膨大な調査票から「ホワイトネス」への包摂と排除の歴史を繙く。