内容説明
「顔」の倫理の哲学者レヴィナスのもう一つの顔…その「ユダヤ性」とはいかなるものだったか。初期から『困難な自由』を経てタルムード講話にいたるユダヤ的テクスト群の読解を通し、レヴィナスにおける「ユダヤ性」の位置とその変容―「顔の倫理」の再検討、メシアニズム、イスラエル評価、バトラーやデリダらの批判―を浮き彫りにする。
目次
第1部 リトアニアからフランスへ―ユダヤ思想への目覚め(初期レヴィナスにおけるユダヤ性のありか;レヴィナスの教え)
第2部 『困難な自由』の企て―ユダヤ性のゆらぎと変容(ユダヤ的「倫理」の生成―「倫理と精神」および「成年者の宗教」;シモーヌ・ヴェイユに抗するエマニュエル・レヴィナス;「論争」から「開かれ」へ―『困難な自由』期のキリスト教理解の変容;「イスラエル」をめぐって)
第3部 タルムード講話とキリスト教への接近(「仏語圏ユダヤ人知識人会議」とは何か;レヴィナスのタルムード講話;六〇年代以降のキリスト教への接近)
第4部 困難な「共生」(ユダヤ的「ライシテ」?;ポスト・レヴィナシアンのレヴィナス批判;ぱとらーのレヴィナス論をめぐって;デリダとレヴィナス)
著者等紹介
渡名喜庸哲[トナキヨウテツ]
1980年生。立教大学教授。フランス哲学、社会思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
「顔」の倫理の哲学者レヴィナスのもう一つの顔──その「ユダヤ性」はいかなるものだったか。その変遷と全体像を浮き彫りにする。
「ユダヤ人哲学者」ではなく「哲学をするユダヤ人」だと述べたレヴィナス。初期から『困難な自由』を経てタルムード講話にいたるユダヤ的テクスト群の読解を通し、レヴィナスにおける「ユダヤ性」の位置とその変容──「顔の倫理」の再検討、メシアニズム、イスラエル評価、バトラーやデリダらの批判──を、包括的に検討する。