目次
第1章 導入
第2章 固体の結晶構造
付録A プラトンの立体
第3章 結晶からの放射線の散乱
付録B フーリエ級数
第4章 結晶の結合
付録C 量子力学のトピックス
第5章 格子振動
付録D 連続極限
第6章 固体中の電子
付録E 磁場中の電子のシュレディンガー方程式
第7章 えり抜きのトピックス
著者等紹介
都倉康弘[トクラヤスヒロ]
1985年東京大学大学院相関理化学専攻修士課程修了。現在、筑波大学数理物質系教授。博士(学術)。専門:半導体を中心とした物性物理学理論、非平衡統計力学、量子情報科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
本書は、大学4年生以上のレベルで「固体物理学」に興味を持つ読者を対象とした教科書である。「固体物理学」は凝縮系(物性)物理学、物質・材料科学、材料分析などの先端的な研究の基礎となる学問で、主な大学では主要なカリキュラムに採用されている。一方で、この分野に関して高い評価を得ている(翻訳)教科書はいくつかあるものの、扱っている内容が多少古い、独習する目的にはあまり適していないなど課題があった。
本書は、(1) 固体の結晶構造、放射線散乱、結晶の結合原理、格子振動、電子状態等のテーマに絞り込んでいる、(2) 本文と同程度の分量の演習問題、自己理解の評定のための問題とそれへの解答が記載されており、自習書として最適である、(3) 準結晶、ソフトマターやメゾスコピック系物性など現代的なトピックを取り入れており、また具体例としても高温超伝導体材料のペロブスカイト系やグラフェン、低次元電子物性などについても触れられていてより現代的な内容であるなど、これまでの教科書にはない特徴が盛り込まれた固体物理学の教科書である。
[原著]Introduction to Solid State Physics World Scientific Publishing 2019