目次
1 2次元系における軌道角運動量とその量子化
2 3次元系における軌道角運動量とその量子化
3 量子系の対称性と保存量
4 スピン
5 角運動量の合成
6 荷電粒子と電磁場の相互作用
著者等紹介
岡本良治[オカモトリョウジ]
1975年九州大学大学院理学研究科博士課程物理学専攻単位取得退学。1976年理学博士。1975年4月‐76年3月日本学術振興会奨励研究員。1978年九州工業大学工学部講師。1980年九州工業大学工学部助教授。1994年九州工業大学工学部教授。2008‐11年九州工業大学大学院工学院教授。2011年定年退職。九州工業大学名誉教授。専門、原子核物理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
本書はスピンと角運動量を通じて,回転運動についての生きた知識,すなわち基礎的な理解を深めるだけではなく,応用的観点から重要なことについても読者が納得できる説明を目指した。具体的には以下のような特徴をもつ。1章では2次元系における軌道角運動量とその応用例を示した。2章では,3次元系における角運動量の行列表示,ゆらぎ,実数表現,運動エネルギーが動径方向微分と角運動量により表現できることなどを説明した。3章では,量子系の対称性と保存量について,能動的な見方と受動的な見方を明示し,いずれの方法においても計算方法を説明した。4章では,スピンの相対論的起源を初等的に説明し,パウリ行列の諸性質,テンソル力に言及するだけではなく,スピンの空間回転,密度演算子のブロッホベクトルを用いた表現などを紹介した。5章では,角運動量合成について,クレブシュ・ゴルダン係数とその性質,スピン間相互作用,スピン軌道相互作用とその応用例も紹介した。6章では,磁気モーメント,ラーモア才差運動,磁気共鳴および開放量子系の話題として磁気緩和現象とブロッホ方程式も説明した。
1 2次元系における軌道角運動量とその量子化
例題1【軌道角運動量演算子のz成分の極座標表示】
例題2【2次元回転子における角運動量の量子化】
例題3【2次元系のハミルトニアン】
2 3次元系における軌道角運動量とその量子化
例題4【軌道角運動量演算子の交換関係の証明】
例題5【昇降演算子の交換関係】
例題6【極座標の偏微分】
例題7【球面調和関数の直交性と規格性】
例題8【角運動量の2乗演算子の固有値】
例題9【角運動量演算子のz成分の固有値と昇降演算子の演算】
例題10【軌道角運動量演算子の行列表現】
例題11【中心力ポテンシャルが働く3次元系のハミルトニアン】
3 量子系の対称性と保存量
例題12【並進・時間変位・回転の演算子の導出】
例題13【ユニタリ変換された時間依存シュレディンガー方程式】
4 スピン
例題14【パウリ行列の性質】
例題15【スピンの大きさ】
例題16【パウリ行列の交換関係と反交換関係】
例題17【パウリ行列,その固有ベクトルへの演算】
例題18【パウリ行列と2つの交換するベクトルについての公式】
例題19【スピン回転の演算子】
例題20【(2×2)行列の完全性】
例題21【スピンの空間的回転】
例題22【ディラック・ハミルトニアンとスピン,軌道角運動量演算子】
5 角運動量の合成
例題23【2電子のスピンの合成系の状態】
例題24【2電子の交換相互作用】
例題25【スピン間相互作用による2電子系の励起スペクトル】
例題26【電子のスピン角運動量と軌道角運動量の合成】
例題27【スピン軌道相互作用に対する軌道角運動量とスピン角運動量の非保存】
例題28【CG係数の漸化式の証明】
例題29【CG係数の直交規格性】
6 荷電粒子と電磁場の相互作用
例題30【ラーモア歳差運動】
7 付録
8 発展問題略解