目次
1 熱力学と統計力学
2 統計力学の定式化:等重率の原理とボルツマンの原理
3 カノニカル集団とグランドカノニカル集団
4 対象のモデル化:ハミルトニアン
5 理想気体の統計力学
6 2準位系の統計力学
7 特性関数の方法
8 量子系の統計力学
9 密度行列
10 状態密度
11 縮退理想気体
12 相互作用がある系での分配関数
13 フラストレーションとエントロピー誘起秩序
14 平均場近似
15 気相液相相転移
16 モンテカルロ法とマスター方程式
17 線形応答
著者等紹介
宮下精二[ミヤシタセイジ]
1981年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了(理学博士)。現在、東京大学名誉教授。日本物理学会理事、JPSJ編集委員会委員長。専門:物性基礎論、統計力学、磁性(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
本書では、統計力学がどのように成り立っているか、どのように応用されるかについて解説する。統計力学の物理学的位置づけは、諸熱力学量の間の一般的な関係を具体的な対象に適用するために必要となる、個々の物理系の熱力学的性質を、その系のミクロな力学的情報(運動方程式、ハミルトニアン)から導く手法であるといえる。
本書では、その原理、対象のモデル化について説明し、具体的な統計力学の適用方法に関する種々の計算手法(特性関数の方法、状態密度の考え方、量子統計での応答や密度行列の方法、相互作用がある系での転送行列の方法、平均場近似、モンテカルロ法など)の紹介を行っている。主に熱平衡状態を取り扱っているが、モンテカルロ法の原理としてのマスター方程式の考え方や、線形応答理論についての解説も行っている。