内容説明
本書は、1977年に初版を刊行した『港湾構造物の耐波設計 波浪工学への序説』のリニューアル版である。近年の研究成果を取り入れて記述事項を大幅に増やし、「港湾の施設の技術上の基準」に導入された信頼性設計法に基づき、港湾の施設の確率論的設計(防波堤の性能設計)について解説。砕波を伴う波浪場・海浜流場の数値計算を解説するとともに、著者が開発した段階的砕波変形モデルを用いた平均水位の上昇量と沿岸流速の算定公式を紹介。海浜変形の予測とその制御に関して、これまでの漂砂関連の研究経緯を概観するとともに、著者の視点で近年の研究成果を取りまとめた。
目次
1 設計実務編(緒論;海の波の統計的性質とスペクトル;波の変形;防波堤の設計;護岸・海岸堤防の設計;港湾の施設の確率論的設計;港内静隠度と船舶係留;不規則波による水理模型型実験)
2 調査研究編(不規則波の記述;不規則波の統計理論;不規則波の解析手法;砕波を伴う平面波浪・海浜流場の数値計算)
3 極値統計解析
4 海浜変形論(海浜変形の予測とその制御)
著者等紹介
合田良實[ゴウダヨシミ]
1935年2月札幌市に生れる。1957年3月東京大学工学部土木工学科卒業。1963年6月米国マサチューセッツ工科大学大学院修士課程修了。1976年1月工学博士(東京大学)。1967年5月運輸省港湾技術研究所水工部波浪研究室長。1980年6月同所水工部長。1986年5月港湾技術研究所長。1988年4月横浜国立大学工学部教授。2000年4月横浜国立大学名誉教授、(株)エコー顧問。この間、土木学会論文奨励賞(1968)、土木学会論文賞(1977)、土木学会著作賞(1989)、米国土木学会国際海岸工学賞(1989)、土木学会出版文化賞(1997)、運輸大臣交通文化賞(1999)、土木学会功績賞(2003)各受賞、瑞宝中綬章(2006)受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)