内容説明
少女は男となることを望んだ…!男装して宮中にあがり、帝の愛をめぐって姉と争う少女の物語絵巻。男性だけが成仏できるとされた時代、女性はどのように生きたのか―。人物絵の隣に台詞が書かれた「室町時代のマンガ」とも言える、ユニークな佳品。マンガ的吹き出しつき現代語訳に加え、絵巻全体を写真で紹介。本作品が持つ意義も多方面から、あますところなく伝えます。
目次
1 現代語訳(上巻;下巻)
2 本文・注釈
3 解説(『新蔵人』絵巻の特徴;伝本について;絵巻の筆者)
4 読みのポイント(『新蔵人』絵巻冒頭部の仕掛け―文化継承装置としての引歌;『新蔵人』絵巻の結末は「めでたし」か;異性装の物語としての『新蔵人』絵巻;『新蔵人』絵巻と絵を描く女房;美術史からみた『新蔵人』絵巻―メリッサ・マコーミック氏インタビュー)
著者等紹介
阿部泰郎[アベヤスロウ]
名古屋大学大学院文学研究科付属人類文化遺産テクスト学研究センター教授
江口啓子[エグチケイコ]
名古屋大学大学院博士課程後期在籍、名古屋市立中央高等学校教諭
鹿谷祐子[シカタニユウコ]
名古屋大学大学院博士課程後期在籍、愛知教育大学非常勤講師
玉田沙織[タマダサオリ]
名古屋学院大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)