内容説明
甥の公暁に暗殺され、二十八歳の若さで散った鎌倉幕府第三代将軍。定家を師し仰いで、家集『金槐集』を残した。資質豊かな王侯風とも万葉風ともいうべき大らかで力強い調べに特色がある。源氏三代の最期を迎えた「悲劇の人」の心を映す、知的な歌作りを明らかにする。
目次
けさ見れば山もかすみて
この寝ぬる朝明の風に
みふゆつぎ春し来ぬれば
ながめつつ思ふも悲し
山風の桜吹きまく
山桜今はの頃の
行きて見むと思ひしほどに
君ならで誰にか見せむ
あしびきの山時鳥
萩の花暮れぐれまでも〔ほか〕
著者等紹介
三木麻子[ミキアサコ]
1955年兵庫県生。大阪女子大学大学院修士課程・関西大学大学院博士後期課程修了。現在、夙川学院短期大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)