内容説明
新古今時代の女流のうち、後鳥羽院に見出されて才を誇った二人の女性歌人。伊勢や和泉式部などの女歌の伝統とは異なる題詠の世界に、新たな才能を開花させた歌人たち。俊成卿女は恋の情緒を定家風の巧緻優艶な風にうたい、宮内卿は、清新な自然詠や恋歌を切れのあるタッチでうたった。対立的な二人の個性を見比べたい。
目次
俊成卿女(梅の花あかね色香も;風かよふ寝覚めの袖の;恨みずや憂世を花の;橘の匂ふあたりの;大荒木の森の木の間を ほか)
宮内卿(かき暗れしなほ古里の;薄く濃き野辺の緑の;花さそふ比良の山嵐;逢坂や梢の花を;柴の戸にさすや日影の ほか)
著者等紹介
近藤香[コンドウコウ]
1970年、ハンガリー・ブタペスト生。立正大学文学部国文学科卒業、同大学院文学研究科満期退学。現在、龍谷大学仏教文化研究所所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)