内容説明
明るく勝ち気で溌刺とした少女時代から、物思いの多くなった晩年までの歌を集めた歌集、『紫式部集』に焦点をあてる。『源氏物語』とは別の角度から紫式部の心に寄りそい、式部の人物・生活・思考を知る好資料であり、その感性のあり方を浮き彫りにする。
目次
めぐりあひて見しやそれとも
鳴きよわる籬の虫も
おぼつかなそれかあらぬか
あらし吹く遠山里の
北へ行く雁のつばさに
あひ見むと思ふ心は
三尾の海に網引く民の
知りぬらむ往き来にならす
ここにかく日野の杉むら
春なれど白嶺の深雪〔ほか〕
著者等紹介
植田恭代[ウエタヤスヨ]
東京都生。日本女子大学大学院単位修得。現在、跡見学園女子大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の、紫式部です。