内容説明
源氏・和歌・連歌など古典学全般の知識に通じ、古典を庶民層に広く普及させるとともに、貞門俳諧の祖として俳諧の興隆に大きな足跡を残した松永貞徳。ほぼ同時代、堂上貴族の中にあって放逸の人生を謳歌し、貞徳とも付き合いを持って和歌にも一家言を有した異色歌人光広。二人の歌を並べて取り上げ、地下(堂下)と堂上という流れを通して、多様な近世初期和歌の萌芽を見る。
目次
松永貞徳(すき間なき槇の板屋に;くれ竹の夜の嵐は;けふこずは明日はと思ふ;暗き夜の枕の海も;行きかよふ月雪の夜の ほか)
烏丸光広(誰もさぞうれしかるらむ;関の名の霞もつらし;開けて見ぬ甲斐もありけり;夕露もむすぶばかりに;あまざかる鄙もへだてじ ほか)
著者等紹介
高梨素子[タカナシモトコ]
戸籍姓、清水。1944年東京都生。早稲田大学大学院修了。学位、博士(学術)(埼玉大学、2008年9月)。現在、いわき明星大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)