内容説明
聡明で美しい女主人公・妹姫君は、姉の婚約者である中納言と知らずに契りを結び、密かにその子を出産する。その後、親子ほども歳の離れた左大将(後の老関白)と結婚し、その寛大な人柄にやすらぎを覚える。姉・大君との感情の齟齬や、帝や宮中将の恋慕などに苦悩の日々を送るが、老関白の死後、男君(もとの中納言)と結ばれ、幸せな大団円を迎える。平安後期に成立した『夜の寝覚』の改作本。原作・改作がともに現存する、極めて貴重な作品である。
著者等紹介
鈴木一雄[スズキカズオ]
1922年、東京都生まれ。東京文理科大学卒。東京教育大学助教授、金沢大学教授、明治大学教授を経て、十文字学園女子大学長。2004年4月、勲三等旭日中綬章受章。2002年5月没。6月、正四位に叙せられる
伊藤博[イトウヒロシ]
1930年、神奈川県生まれ。東京教育大学大学院修士課程修了。大妻女子大学名誉教授
石埜敬子[イシノケイコ]
1940年、静岡県生まれ。東京教育大学大学院博士課程単位取得退学。元筑波大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)