内容説明
『恋路ゆかしき大将』恋路と端山・花染の三人の貴公子の、生涯の伴侶を求める物語。恋路は幼い女二宮との恋を雛遊びの末に実らせ、端山は、女一宮への禁じられた恋をやっと許される。花染も伴侶を得て、三人ともめでたしめでたしの筈だったが―絶世の美女・梅津女君の魅力の虜になった端山は、女一宮の母后の逆鱗にふれ、女一宮との仲を裂かれて、失意の余り、山に篭る。梅津女君をめぐり、帝・恋路・花染の入り乱れた人間模様の中で、実は、梅津女君は恋路だけを慕っているのだった。『山路の露』『源氏物語』夢浮橋巻の続編。作者未詳。浮舟を諦めきれない薫はたびたび小野に手紙を送り、浮舟の弟小君を遣わすが、浮舟は頑固に拒絶する。薫は自ら小野を訪れ、浮舟に恋情を訴えるが、歌を詠みかわしただけで帰京する。母との再会に感慨を深くする浮舟だが、帰京を促す母の言葉にも耳を貸そうとはしない。中世の源氏愛好者が生み出した浮舟と薫の「その後」の物語。
著者等紹介
宮田光[ミヤタミツ]
1939年、大分県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士課程単位取得。東海学園大学人文学部教授
稲賀敬二[イナガケイジ]
1928年、旅順市生まれ(本籍、鳥取県)。東京大学文学部卒業。広島大学名誉教授。元安田女子大学学長補佐。2001年4月没