石清水物語

著者:三角 洋一【校訂・訳注】
出版社:笠間書院

商品説明

内容説明

木幡の姫君は、異母兄の秋の君と、武士で義弟の伊予守から思いを寄せられる。やがて入内が予定されるが、伊予守と契りを結ぶに至り、入内は取り消される。その後、老中務宮の後妻となるが、最後は帝寵に浴し、伊予守は出家を遂げる。鎌倉期成立の本作品は悲恋遁世譚の流れをくむ作品と捉えられてきたが、主人公を武士に設定している点、兄妹恋愛譚や男色を織り込んでいる点、帝寵を嘆く女と、出家により一蓮托生を成し遂げる男という従来と逆の構図など、平安朝の王朝物語には見られない特徴を多数有した画期的な作品である。



著者等紹介

三角洋一[ミスミヨウイチ]
1948年、岩手県生まれ。東京大学大学院博士課程中途退学。大正大学特任教授。東京大学名誉教授。博士(文学)。2016年5月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



出版社内容情報

武家の伊予守が主人公の異色作。上下二巻から成る中編。成立は後嵯峨院時代とされる(在位1243〜46、院政〜72)。

父大臣に知られず、常陸国で生まれ育ったヒロイン木幡の姫君は、兄妹とは知らぬ秋の君の接近、後見役の伊予守との密通、入内取り止め、老人の中務宮との結婚、帝による略奪という曲折を経て女御にまで昇り、伊予守は出家する。

男主人公の側から見れば悲恋遁世談で、女主人公の側からいうと女の出世を描いた物語。



底本には『鎌倉時代物語集成』第二巻を使用。同書は射和文庫本を底本とし、内閣文庫本を部分的に対校している。



中世王朝物語全集、第15回配本。

源氏物語以後、院政期から鎌倉時代にかけて生み出され、今に伝わる王朝物語全集。

原文・現代語訳2段組構成。

待望のシリーズ最新刊!

【編集委員】市古貞次・稲賀敬二・今井源衛・大槻修・鈴木一雄・樋口芳麻呂・三角洋一

本文・現代語訳・注・梗概・年立・人物系図・人物一覧・校訂付記・解題

(梗概・年立・人物系図・人物一覧担当:井 真弓)



底本には『鎌倉時代物語集成』第二巻を使用。同書は射和文庫本を底本とし、内閣文庫本を部分的に対校している。



「栞」

「『石清水物語』の人物造型から読み解く時代性」井 真弓

「三角洋一さんを偲ぶ」藤原克己(『東方学』第132輯より転載)

三角 洋一[ミスミ ヨウイチ]
1948年、岩手県生まれ。東京大学大学院博士課程中途退学。大正大学特任教授。東京大学名誉教授。博士(文学)。著書に『堤中納言物語全訳注』『鎌倉時代物語集成』(共編)『新日本古典文学大系 とはずがたり・たまきはる』『物語の変貌』『源氏物語と天台浄土教』『王朝物語の展開』『宇治十帖と仏教』ほか。2016年5月没。




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