内容説明
本書は、放射線の発生原理や種類といった基礎知識から始まり、医療・工業・環境分野での応用、人体への影響と防護、そして原子力発電の仕組みや安全対策までを幅広く解説しています。さらに、放射性廃棄物の処理や次世代原子炉の動向までを含む構成で、科学的・中立的な立場から情報を提供しています。専門的な内容も、図解や具体例を交えて平易に説明しており、理系初心者や原子力に関心を持つ読者にとって有用な一冊です。時事的な課題にも触れながら、「原子力とどう向き合うか」を考える視点を与えてくれます。
目次
第1章 放射線の発生と原子炉内で起こる核反応(原子から分子を作る結合力の種類と強さ;原子の構造と表記 ほか)
第2章 放射線の利用と放射線の人体への影響(X線の診断への利用;X線あるいは中性子回折による結晶構造の解析 ほか)
第3章 原子力発電を安全に稼働するための方策(原子力発電の必要性を証明するために;世界各国の電源構成の現状 ほか)
第4章 原子力発電から出る放射性廃棄物の管理と処分(核燃料サイクルの必要性;燃料利用率とウラン資源獲得 ほか)
第5章 新しいタイプの原子炉(これまでの軽水炉をさらに安全にした改良型軽水炉;高温ガス炉を使って原子炉熱の利用を広げる ほか)
付録
著者等紹介
深田智[フカダサトシ]
九州大学総合理工学研究院名誉教授。専門は、核融合炉燃料サイクル、原子力工学、特に核燃料サイクル工学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
本書は、放射線の発生原理や種類といった基礎知識から始まり、医療・工業・環境分野での応用、人体への影響と防護、そして原子力発電の仕組みや安全対策までを幅広く解説しています。さらに、放射性廃棄物の処理や次世代原子炉の動向までを含む構成で、科学的・中立的な立場から情報を提供しています。専門的な内容も、図解や具体例を交えて平易に説明しており、理系初心者や原子力に関心を持つ読者にとって有用な一冊です。時事的な課題にも触れながら、「原子力とどう向き合うか」を考える視点を与えてくれます。
【目次】
第1章 放射線の発生と原子炉内で起こる核反応
1-1 原子から分子を作る結合力の種類と強さ
1-2 原子の構造と表記
1-3 放射線の種類
1-4 同位体原子にある違い
1-5 放射線量を表す単位
1-6 原子核反応の例
1-7 地球内部で起こる原子核の崩壊と熱発生
1-8 核分裂反応で発生する特殊な元素、核種
1-9 崩壊系列
1-10 E=mc2の関係式、波長とエネルギーの関係
1-11 核力、強い力の起源
1-12 原子核の質量欠損と核子間の結合エネルギーの関係
1-13 核燃料核種では核分裂と中性子吸収反応が同時に進む
1-14 原子炉内で中性子を減速する理由
1-15 熱中性子と高速中性子の違い
1-16 核分裂の連鎖反応と核反応で発生する熱の大きさ
1-17 化石燃料の燃焼との発熱量の違い
1-18 原子炉中の中性子の動きと臨界とは何か
1-19 原子炉内で中性子増倍率を1に制御するには
1-20 反応度を使った核分裂反応の制御
1-21 水冷却核分裂原子炉の構成
1-22 軽水炉を含めた原子炉全般の世界の運転状況
第2章 放射線の利用と放射線の人体への影響
2-1 X線の診断への利用
2-2 X線あるいは中性子回折による結晶構造の解析
2-3 X線と中性子線の回折と内部透視像の比較
2-4 電子線の電子顕微鏡への応用
2-5 放射線による殺菌作用
2-6 強い酸化力を使った環境汚染物質の放射線分解
2-7 放射線照射による材料の性能向上と線源の幅広い利用
2-8 医療分野における高エネルギー放射線の利用
2-9 同位体を用いた年代測定法
2-10 放射線利用のまとめとその他の放射線利用
2-11 放射線被曝の2つの形態、放射線の人体への影響の分類
2-12 放射線防護の原則と外部被曝を避けるための方策
2-13 内部被曝量の把握
2-14 預託実効線量の考え方と低線量率での人の被曝影響
2-15 吸収線量グレイ Gy と実効線量シーベルト Sv
2-16 放射線被曝の確定的影響と被曝線量との関係
2-17 確率的影響と実効線量との関係
2-18 自然放射線の起源と自然放射線被曝量
2-19 過去の放射性核種取扱中の職業被曝事故の例
2-20 放射線の遺伝的影響と線量限度の設定
2-21 環境中の放射性核種の移行
2-22 放射性核種の管理、取扱施設からの排気、排水管理
第3章 原子力発電を安全に稼働するための方策
3-1 原子力発電の必要性を証明するために