内容説明
「異常気象はもはや異常ではない」気候変動で増える複合型水災害にダムと森林が手を組む!
目次
第1章 「緑のダム」が決壊した
第2章 森林における治水・利水機能とその限界
第3章 急峻な国土に生きる
第4章 森林政策を考える
第5章 これからのダムに求められる役割
第6章 ダムと森林の連携
著者等紹介
虫明功臣[ムシアケカツミ]
東京大学名誉教授、福島大学名誉教授。1942年岡山県生まれ。65年に東京大学大学院工学系研究科土木工学専攻修士課程修了後、同大学工学部助手、同大学生産技術研究所講師、助教授を経て、75年教授。2003〜09年福島大学理工学群教授。00〜01年水文・水資源学会会長、02〜09年アジア太平洋水文水資源協会事務局長。国土交通省社会資本審議会委員、同国土審議会委員、(公社)日本河川協会会長などを歴任。専門は水文・水資源工学
太田猛彦[オオタタケヒコ]
東京大学名誉教授。1941年東京都生まれ。東京大学大学院農学系研究科修了(農学博士)後、東京農工大学助教授を経て東京大学教授、東京農業大学教授。砂防学会長、日本森林学会長、日本緑化工学会長を歴任。林政審議会委員、東京都森林審議会会長等を務め、現在FSCジャパン議長、みえ森林・林業アカデミー学長、かわさき市民アカデミー学長。専門は砂防工学・森林水文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
2017年7月、九州北部地方に甚大な豪雨災害が発生した。緑で覆われた山々は地肌が露出して無残な姿となり、大量の土砂と流木が洪水とともに人家を破壊し、壊滅的な被害をもたらした。まさに水と土と木が凶器となって被害を大きくした「複合型水災害」だ。また、18年7月にも西日本を中心に集中豪雨が発生して、死者・行方不明者230人以上に及ぶ平成最悪の豪雨災害となった。19年10月も台風19号で甚大な被害が出るなど、気候変動に伴う集中豪雨の激化により、水災害は近年増加傾向にある。
このような災害に対しては流域全体の視点から対応を考えなければならない。土砂や流木の発生源である山林をどうするか、山林から流出してくる土砂と流木が人家に被害を及ぼさないようにするには何が必要か、さらには上流域からの洪水をどのようにコントロールして流域の災害リスクを軽減するか−−。本書ではこのような問題意識の下、山林の管理と政策、山間部で土砂と流木の流出を抑制する砂防や、貯水池で捕捉して下流域の災害を防止するダムなど、流域全体での総合的な対策とマネジメントの必要性を説く。
■主な内容
はじめに
第1章 「緑のダム」が決壊した
第2章 森林における治水・利水機能とその限界
第3章 急峻な国土に生きる
第4章 森林政策を考える
第5章 これからのダムに求められる役割
第6章 ダムと森林の連携
あとがき