出版社内容情報
《内容》 「看護は感情労働だ。しかし同時に,感情労働の破綻に惹かれる人にしかできない職業だ」……16歳で両眼の視力を失い,現在第一線の社会学者/プログラマとして活躍する著者が,できないこと,弱いことがひらく可能性について考え尽くす話題作。「これなら人とつながれる」と思えてきそうな,ちょっと楽しい障害学。
《目次》
第1章 天然いい人、人工いい人
1 社会学者にしてプログラマである理由
2 ユーザを巻き込むことにより私は開発に釘付けになる
3 道具を作る自由
第2章 寛容の身振りの先にあるもの
1 センサーと引き金
2 感情労働者たち
3 他者をもてなすべし
4 アシストに徹する人々もいる
5 感情管理が破綻し、感情公共性の幕が開く
第3章 人はいつ暴力的になるのか
1 芥川の『鼻』を読む
2 善良であろうとする人々の暴力
3 永遠の愛は人間的ではない
第4章 セクシュアリティのツボ
1 人は自己の特権を侵さない者にそそられるのか
2 私はアンビバレンスに魅了される
3 セックスを脱規格化する
第5章 脱社交的関係
1 ネットオークションの醍醐味
2 地域通貨で昔話を買う
3 「託す」という関係
4 社交、非社交、脱社交
第6章 だれもが元気に、自由に、つつがなく暮らせる社会
1 人は無意味に働きたいわけではない
2 配慮の平等
終章 「1型の障害者」と言いたいのはやまやまだが
1 「名付け」と「名乗り」のポリティクス
2 アイデンティティを立ち上げずにポジションを引き受ける
参考文献
あとがき