内容説明
本書は大脳損傷でみられる記憶障害の種々相を整理し、それを土台に記憶の大脳メカニズムを神経心理学の立場からまとめたものである。記述の重点は、記憶障害の中でも、その障害が大きく生活に影響を与えるような記憶、筆者の表現でいうと「生活記憶」の障害におき、最後の章では筆者なりの記憶に対する考えをまとめている。
目次
第1章 記憶の現象学
第2章 生活記憶の障害
第3章 意味記憶の障害
第4章 手続き記憶の障害
第5章 生活記憶の神経解剖学的構造
第6章 記憶の心理構造。統合的理解へ向けて
著者等紹介
山鳥重[ヤマドリアツシ]
東北大学教授
出版社内容情報
《内容》 名著『神経心理学入門』の著者が贈る待望の書。目下,神経学や生理学などで最もホットな分野である「記憶」に関する明快このうえないモノグラフ。ヒトの記憶の謎と,さまざまな記憶障害のメカニズムと現象を豊富な事例で明かす。
《目次》
第1章 記憶の現象学
A. さまざまな記憶
B. 陳述できる記憶
C. 行動化される記憶(陳述できない記憶)
第2章 生活記憶の障害
A. 記憶障害のキーワード
B. 生活記憶の障害
C. 前頭葉損傷と健忘
第3章 意味記憶の障害
A. 意味記憶の特徴
B. 単語の意味記憶の障害
C. 図像の意味の理解障害
D. 実物の意味記憶の障害
E. 意味カテゴリーと大脳損傷
第4章 手続き記憶の障害
A. 視覚運動性手続き記憶の障害
B. 知覚性手続き記憶の障害
C. 認知性手続き記憶の障害
D. 古典的条件反射
第5章 生活記憶の神経解剖学的構造
A. 健忘の責任病巣
B. 記憶のネットワーク
第6章 記憶の心理構造,統合的理解へ向けて
A. 記憶の流れ
B. 記憶と生活