内容説明
ナラティブ・メディスンとは、病いの物語を認識し、吸収し、解釈し、それに心動かされて行動する「物語能力」を用いて実践される医療である。内科医であるとともに、文学博士であり倫理学者でもあるリタ・シャロンが、文学と医学、プライマリ・ケア、物語論、医師患者関係の研究成果をもとに、「物語能力」の概念、理論背景、その教育法と実践法を豊富な臨床事例を通して解き明かす。対峙から協同へ―医療の新たな枠組みを提唱するナラティブ・メディスンの原典、待望の完訳。
目次
第1部 ナラティブ・メディスンとはなにか(ナラティブ・メディスンはどこから生まれてきたか?;医療の分断に橋を架ける ほか)
第2部 病いのナラティブ(人生を語る;患者、身体、自己)
第3部 物語能力を開発する(精密読解;配慮、表現、そして参入 ほか)
第4部 ナラティブ・メディスンの副産物(証人の役割を担う;ナラティブ・メディスンの生命倫理 ほか)
著者等紹介
シャロン,リタ[シャロン,リタ][Charon,Rita]
1978年Harvard Medical Schoolを卒業。医師としての研修を受けた後、1999年にColumbia大学で英語学の博士号を受ける。内科の医師であり、文学博士であり、倫理学者でもある
斎藤清二[サイトウセイジ]
富山大学保健管理センター・教授
岸本寛史[キシモトノリフミ]
京都大学医学部附属病院地域ネットワーク医療部・准教授
宮田靖志[ミヤタヤスシ]
北海道大学病院地域医療指導医支援センター/卒後臨床研修センター・特任准教授
山本和利[ヤマモトワリ]
札幌医科大学地域医療総合医学・教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)