内容説明
壊れた家族の「無念」と援助の「尊さ」。児童虐待に秘められた苛酷な運命とは?アルコール依存症が破綻させた暮らしの行方は?“病んだ家族”の真実の姿を熟練保健師が描いた12編の物語。
目次
二〇〇X年四月―地域に埋もれた「アルコール依存症」の真実
二〇〇X年五月―ゴミ屋敷に住む兄妹を救出せよ
二〇〇X年六月―家庭内暴力に悩む父と母の実像
二〇〇X年七月―“家出少女”と“青年”と“母親”
二〇〇X年八月―「あの医者は許せない」と語る老人の半生
二〇〇X年十一月―山のなかに暮らす家族、それぞれの苦悩
二〇〇X年十二月―養育が放棄された家に生きる兄と妹
二〇〇X年一月―「アルコール家族」の絆が支える暮らし
二〇〇X年二月―機能不全家族が崩壊していく
一九八X年四月―ゆっくりと進む難病患者の看取り
一九八×年五月―“精神障害者の退院促進”と“家の事情”
一九九×年十一月―「裏社会の女」の生き様に添う
著者等紹介
宮本ふみ[ミヤモトフミ]
1949年京都生まれ。1972年同志社大学文学部社会学科を卒業し、重度心身障害児施設である社会福祉法人枚方療育園に就職する。上京後、根岸病院(精神科)に勤務しながら准看護師資格を、国立療養所東京病院に勤務しながら看護師資格を取得。東京小児療育病院での勤務を経て、1982年、東京都公衆衛生看護専門学校に進学し、保健師免許を取得。保健師としては、東京都三鷹保健所、福生保健所、多摩川保健所、衛生局総務部地域保健課にて勤務した。2006年1月、肺がんのため永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)