内容説明
本書では、電子2個を含む体系として具体的には水素原子2個から水素分子が形成されるわけを説明し、パウリの原理を用いて元素の周期律を考察する。量子統計を踏まえて振動あるいは粒子の場を量子化する、いわゆる多体問題の基礎についても述べ、その一つの例として相互作用をもった1次元フェルミ粒子系の励起をボース系として扱う朝永振一郎先生の論文のあらましについて記し、スピンが積極的な役割を演じる体系の例として、近藤効果と超伝導現象の理論の要約を加えた。
目次
水素分子
オルト水素とパラ水素
元素の周期律
分子性物質
密度行列
密度行列の古典近似
ウィグナー分布関数
量子統計
理想気体
ボース‐アインシュタイン凝縮〔ほか〕
出版社内容情報
〔内容〕水素分子/元素の周期律/分子性物質/ウィグナー分布関数/理想気体/自由電子気体/自由電子の磁性とホール効果/フォトン/スピン波/フェルミ振子とボース振子/低温の電気抵抗/近藤効果/超伝導/超伝導トンネル効果/他