内容説明
「これから、わたしたちはどうなるの?」二人の愛する女から突きつけられた言葉に、ケマルは答えようがなかった。彼の心はスィベルとフュスンの間を揺れ動き、終わりのない苦悩に沈む。焦れた女たちはそれぞれの決断を下すのだが―。ケマルは心配する家族や友人たちから距離を置き、次第に孤立を深める。会社の経営にも身が入らず徐々にその人生は破綻していく。トルコ初のノーベル文学賞作家が描く、狂気の愛の物語。
著者等紹介
パムク,オルハン[パムク,オルハン] [Pamuk,Orhan]
1952年、イスタンブル生まれ。トルコ初のノーベル文学賞作家。イスタンブル工科大学で建築を学んだあと、イスタンブル大学でジャーナリズムの学位を取得。その後、コロンビア大学客員研究員としてアメリカに滞在した。1982年発表のデビュー作『ジェヴデット氏と息子たち』(未訳)がトルコで最も権威のあるオルハン・ケマル小説賞を受賞。その後に発表した作品もトルコ、ヨーロッパの主要文学賞に輝き、世界的な名声を確立する。1998年発表の『わたしの名は赤』はニューヨーク・タイムズをはじめとする世界の有力紙誌で激賞され、国際IMPACダブリン文学賞を受賞。2002年の『雪』も同様の高評価を受け、2006年にはノーベル文学賞を受賞した
宮下遼[ミヤシタリョウ]
東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学、大阪大学言語文化研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
オルハン・パムク[パムク オルハン]
著・文・その他
宮下 遼[ミヤシタ リョウ]
翻訳