内容説明
人と交わらず孤独に暮らしていた老人が、ある日最高権力者である将軍に呼び出されて戸惑う様子を淡々と描いた「最後の言葉」。メキシコの田舎町を休暇で訪れた男が、偶然手に入れた大金を社会のために使おうと考えたことによって思いがけない事態を招く「宝くじ」―本邦初紹介となる未完の表題作をはじめとする、十六短篇を収録。移りゆく世界と人々の心情に向けられたイギリスの巨匠の冷静な視線を味わえる傑作短篇集。
著者等紹介
グリーン,グレアム[グリーン,グレアム] [Greene,Graham]
イギリスを代表する作家であるとともに、20世紀のもっとも偉大な作家のひとり。1904年10月2日、ロンドン北西のバーカムステッド生まれ。オックスフォード大学卒業後、1926年から『ザ・タイムズ』に勤務。1929年に『内なる私』で文学界に登場した後、『ザ・タイムズ』を退社して作家活動に入る。第二次大戦中は情報活動に従事していた。『ブライトン・ロック』(1938)と『権力と栄光』(1940)で作家としての地位を確立し、『事件の核心』(1948)、『情事の終り』(1951)で世界的な名声を得た。1991年4月3日死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
全て新訳の巨匠グリーンの傑作短篇集。本邦初訳となる未完長篇の冒頭を含む16篇を収録