内容説明
電話ボックスを相続した少年は、その番号に何度もかけてみる。誰も出るはずのない電話だが、あるとき彼が愛するTVドラマの主人公が出て、助けを求めてきた―異色の青春小説たる表題作ほか、国をまるごと収めたハンドバッグの遍歴を少女が語る「妖精のハンドバッグ」、なにかに憑かれた家を買った家族の騒動を描く「石の動物」など、アメリカ文学の新潮流をかたどる女性作家による瑞々しくも不思議な感触を残す全九篇。
著者等紹介
リンク,ケリー[リンク,ケリー][Link,Kelly]
1969年生まれ。コロンビア大学で学士号、ノースキャロライナ大学で修士号を取得。1995年に「黒犬の背に水」でデビュー。世界幻想文学大賞受賞作を表題作とする第一短篇集『スペシャリストの帽子』(ハヤカワ文庫FT)は、ファンタジイ、主流文学界の垣根をこえて高く評価された。2005年に発表された第二短篇集である『マジック・フォー・ビギナーズ』はヒューゴー賞/ネビュラ賞/ローカス賞受賞の「妖精のハンドバッグ」、ネビュラ賞/ローカス賞/英国SF協会賞受賞の表題作を収録。刊行後すぐに“ニューヨーク・タイムズ”の書評で紹介されるなど、大きな話題となり、2006年度のローカス賞短篇集部門を受賞した。その後2008年にはヤングアダルト短篇集Pretty Monstersを発表し、同書は世界幻想文学大賞候補となった。マサチューセッツ州在住、出版社“スモール・ビア・プレス”を夫と共同経営する
柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年生、東京大学文学部教授、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)