内容説明
“現代の危機”に向かいあい、ふたつの時代を重ねて読みとく。
目次
序論 危機の時代を生きる
1 第一次世界大戦の帰結と全体主義勃興の危機(J.M.ケインズ『平和の経済的帰結』―一世紀を経てなおも息づくケインズの鳴らした警鐘;J.M.ケインズ『条約の改正』―「ケインズの政治学」を想像する;E.H.カー『危機の二十年』―二度の世界大戦の後、新たな国際秩序への展望を示す;F.ハイエク『隷従への道』―自由主義の後退が行き着く苦悩の社会像を描画)
2 理論の展開―全体主義への対抗軸としてのリベラリズム(『一般理論』前史;『一般理論』と社会民主主義)
3 1930年代の世界と日本(J.M.ケインズ『世界恐慌と英米における諸政策―1931〜39年の諸活動』―世論形成に力点を置いたケインズの活動;高橋亀吉・森垣淑『昭和金融恐慌史』―民間エコノミスト二名による昭和金融恐慌の真相究明;石橋湛山『石橋湛山評論集』―日本にケインズをいち早く紹介した先覚者)
4 ケインズの同時代人(J.M.ケインズ『人物評伝』―人物評伝の達人でもあったケインズの分析力;フランク・ラムジーの1つの描像―理論経済学者・哲学者・論理学者として;E.H.カーのソ連史研究―戦間期から戦後期へ)
著者等紹介
大瀧雅之[オオタキマサユキ]
東京大学社会科学研究所。専門はマクロ経済学
加藤晋[カトウススム]
東京大学社会科学研究所(日本学術振興会海外特別研究員)。専門は厚生経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
市場経済の危機の時代であったケインズの生きた時代を中心に、経済理論の古典を紹介・解説したブックガイド。