内容説明
鎌倉中期の宮廷で、数奇な体験を重ねつつも自己を確立していく女性の半生を叙情豊かに描く。
目次
其の1 大いなる転機
其の2 愚かなりし我が心
其の3 愛と死
其の4 夢の彼方
其の5 我が名は女
著者等紹介
いがらしゆみこ[イガラシユミコ]
1950年、北海道旭川市生まれ。漫画家を志し単身上京。東京の高校に編入する。1968年、高校3年在学中にデビュー、その後、少女漫画誌「なかよし」の専属作家として活躍する。75年以降、精力的に長篇を発表し、77年、第1回講談社漫画賞受賞。漫画家生活20周年を契機に文章を書く仕事を始め、漫画の原作および少女小説も執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
『とはずがたり』は後深草院の後宮に入った二条というひとりの女房が、三六年間に亘る自らの半生をつづった日記・紀行文学である。伝本は宮内庁書陵部蔵の桂宮本(江戸時代初期の写本)のみが現存。昭和一五(一九四〇)年に世に初めて紹介されるまで、ごくわずかな人々にしか知られていなかった作品である。
鎌倉時代、権力の中枢は貴族の手から武士の手へと移り変っていた。ややもすれば退廃的な宮廷の世界で数奇な体験を重ねつつも、自己を確立し成長していく二条――。その生き様は、七〇〇年の歳月を経た今日でも鮮烈な印象を与えずにはいられない。
〈目次より〉
其の一 大いなる転機/其の二 愚かなりし我が心/其の三 愛と死/其の四 夢の彼方 /其の五 我が名は女